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第七回 大橋博起さん

OhashiEJEFには、官公庁や民間企業をはじめ、国際的に活躍する皆様が、それぞれの目的を持って語学研修に来ています。このコーナーではEJEFで語学研修を受講された方々に、ご自身の言葉でEJEFでの経験や研修内容について語っていただきます。

第七回目は、2年間のエジプトでの研修を終え、現在オックスフォード大学で客員研究員として研究活動を行っておられる外務省職員、大橋博起さんにお話を伺いました。

Q:大橋さんは外務省の職員としてご活躍されていますが、これまでのご経歴と現在のお仕事の内容について教えていただけますか?

大橋:2004年に慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、国家公務員Ⅰ種職員として外務省に入省しました。霞が関では、経済協力局で政府開発援助(ODA)、特にイラク復興支援やODAの全体的な政策形成に係わる仕事に携わった後、国際法局でアジア諸国との経済連携協定(EPA)の条文起案・条約交渉等を担当しました。その後、エジプトのカイロ・アメリカン大学とカイロ大学大学院でそれぞれ1年間ずつ、アラビア語と国際法、中東・イスラームの政治・経済・歴史等を学びました。現在は英国オックスフォード大学に留学し、客員研究員として中東地域研究を行っています。

Q:外交官になられる前は、海外生活のご経験はあったのですか?

大橋:幼少の頃に韓国のソウルで2年間、外務省入省後の在外研修でエジプトのカイロで2年間を過ごし、今後英国で1年間生活する予定です。また、海外旅行が趣味の一つなので、短期間ではありますが、今までに30ヶ国以上を訪れています。

Q:EJEFの受講生の皆様には、週末を利用してイギリスはじめヨーロッパ各地に旅行されるかたがとても多いですね。やはりイギリスはヨーロッパのどこにも近いので、せっかくの機会を無駄にしたくないと思われるようです。

大橋さんが最初にEJEFで研修を受けられたときは、エジプトに留学されていた時ですよね。数多くある語学研修期間の中でEJEFを選ばれた理由は何でしょうか?

大橋:EJEFは35年間で培った実績とノウハウ、信頼があるために各方面から非常に高い評価を得ており、毎年多くの外務省在外研修員や中央省庁の職員も利用しているので、私の中では英国の日本人向け語学学校=EJEFというイメージがありました。そのため、EJEFを選ぶに当たっては特段の迷いはありませんでした。

Q:実は大橋さんは、一度EJEFで研修を受けられてから、もういちどEJEFで勉強されているんですね。二度にわたってEJEFを研修先に選ばれたのは、何らかの成果を実感できたということでしょうか?

大橋:はい。EJEFでの生活は非常に満足度が高く、短期間にもかかわらず確かな英語力の伸びを実感出来ました。アットホームな雰囲気、きめ細かい配慮、充実した設備、そして教師陣の質の高さは他の語学学校と比べてもずば抜けているので、大学の学期の合間等、機会があればまたEJEFで勉強したいと思っています。

Q:なるほど。最初にEJEFに来られたときの印象はどうでしたか?

大橋:まず、社長の岩永照子氏の温かい歓迎ぶり、そしてプロフェッショナルな教師陣の配慮の行き届いたきめ細やかな対応にとても感銘を受けました。また、EJEFは、岩永氏によって上手にオーガナイズされた「照子ファミリー」なんだな、という印象を受けました。

Q:履修したコースの内容について聞かせて頂けますか?

大橋:EJEFでは、Pre-sessional CourseとDiplomatic Courseを履修しました。コースは、最大4名の少人数のグループレッスンと、1対1のプライベートレッスンの二つから構成されており、前者では、BBCニュースのリスニングとそれについてのディスカッション、国際会議における効果的かつ外交的な表現方法の学習、交渉のロールプレイング、プレゼンテーション、英国国内法と関連判例のケーススタディ、英国内各紙の比較、講義のノート・テーキングと講義内容・自分の意見を発表する訓練等を行いました。後者では、オックスフォード大学の出願書類や小論文の添削、Economist誌やForeign Affairsをはじめとする学術論文のサマリー作成・添削とそれに関するディスカッション等を行いました。総じて授業のレベルは高く、全てが少人数であることに加え、幅広く色々なことを学べたので、非常に効果的に英語の学習が出来ました。

Q:授業の中で特に印象に残っていることはありますか?

大橋:私は特にライティングに重点を置いていたので、自分の書いた小論文やエッセイ等を一言一句細かく添削してもらうことで、洗練されたエレガントなアカデミック・ライティングのイロハを教えてもらいました。最初は文章を校正されてもポイントが良く分からなかったのですが、次第に「なるほど、英国の知識人はこういう表現をするのか」ということが理解出来るようになったことは特に印象に残っています。

Q:テキスト等で他人の書いた文章で勉強するよりは、自分の文章に手を入れていくのが最も効果的なのですが、そのようなことが存分にできる環境がEJEFにはあるわけです。

大橋:そう思います。

Q:さて、イギリスでの語学学校の選択に迷っている方々はとても多いと思いますので、そのあたりをお伺いしたいと思います。語学学校は大きく分けて、EJEFのような日本人集中特訓型スクールと、世界各国から学生が集まる語学学校を比較した場合の2つのタイプがあると思いますが、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるとお考えですか?

大橋:私は英国で、少人数での日本人集中特訓型のEJEFと、世界各国から学生や研究員が集まるオックスフォード大学の英語のコースを履修しました。 まずは前者ですが、主なメリットとして、生徒のニーズやペースに合ったきめ細かな授業が受けられることと、発言機会等が多く主体的に授業に参加出来ることが挙げられると思います。デメリットは、日本人の生徒が多いために授業以外で英語を話す機会が限られるということでしょうか。ただし、EJEF内では'NO Japanese Rule'の下、基本的に日本語を使うことが禁止されているので、生徒のモチベーション次第ではこの点は特に問題になりません。 次に後者ですが、メリットは、世界中から集まった様々なバックグラウンド(文化や専攻等)を持った人達と知り合えることと、コミュニケーションを取るために常に英語を使用する必要があることだと思います。他方、こういった語学学校はどうしてもクラスの規模が大きくなりがちで、各人の要望を反映させることが難しいので、先述したEJEFのメリットとは逆に、授業内容が必ずしも生徒のニーズと合致しないことと、発言機会等が少なく受動的になりやすいことがデメリットとして挙げられます。

Q:EJEF方式の語学学習はどのような人達に適していると思われますか?

大橋:EJEFでは、各人のニーズに合わせたテーラーメイドのコースを受講出来るので、学生やビジネスマンは勿論のこと、幅広く初心者からネイティブ並みの上級者に至るまで、EJEF方式の語学学習は英語を勉強する意欲のある全ての方に適していると思います。ただし、英国で効果的に英語を勉強するためには、基礎的なことは日本国内で勉強しておいた方がいいでしょう。

Q:EJEFでは、滞在中の皆様が利用できるレクリエーション施設の充実にも力を入れてきているのですが、今後、特に希望される施設は何かありますか?

大橋:ゴルフコースやサッカー場、卓球場、サウナ、フィットネスジム等の素晴らしい施設がすでに用意されているので、今度は是非プール、カラオケ、野球場、映画館、ボーリング場を作って欲しいですね(笑)。

Q:わかりました。検討します。完成したら是非またいらっしゃって下さい(笑)。
滞在中のホームステイ生活はいかがでしたか?

大橋:ホームステイ先の家族は常に親身になって温かく接してくれたので、本当の家族のようでとても居心地が良かったです。特に私はエジプトで一人暮らしをしていたので、家族団欒のありがたみが身に染みました。授業後にカントリーサイドにドライブに連れて行ってもらったり、近くの綺麗な街を案内してもらったり、真夏にもかかわらずイギリスの伝統を体験するためにクリスマスパーティーをしてもらったり、pub crawl(パブのはしご)に連れて行ってもらったりと、ホストファミリーには本当に色々とお世話になり、毎日が楽しく過ごせました。また、御子息がオックスフォード大学の学生だったので、アカデミックな議論も出来、色々な意味で非常に刺激的でした。渡英前は悪名高い英国の料理にネガティブなイメージを持っていましたが、料理もなかなか美味しかったと記憶しています。ホームステイ先の家族とは今でも定期的に連絡を取り合っており、とても良い関係を築けています。

Q:ホームステイ生活にもメリットとデメリットはあると思いますが、ホームステイというものについて語学学習の面ではどうでしょう?

大橋:何といっても、英国人と一つ屋根の下で暮らし、生きた英語を使うことで語学力の強化が出来ることと、英国の文化や伝統を肌で感じられることが最大のメリットだと思います。マイナス面は特に思いつきませんが、文化や生活スタイルの違いや、一日中英語を使わなければならないことから、慣れるまでは疲れを感じる人もいると思います。しかしそれは海外生活では当然のことなので、デメリットではありませんね。

Q:大橋さんはアラビストとして、英語以外にもアラビア語を勉強されているわけなのですが、第二外国語学習で特に留意しているところ、難しいあるいは易しいと感じるところは何でしょう?

大橋:言語は文化を反映し、文化は言語によって表されるため、言語を学ぶこととその国の文化を知るということは相互に密接に結び付いています。そのため、言葉を学ぶと同時に、現地の友人を沢山作り、その国の歴史・伝統・文化を肌で感じるように心掛けています。また、外国語学習で重要なことは、美しい言葉を書き、話すということです。その観点からは、現代の知識人が使う洗練された言葉だけでなく、古典を知ることも有用なのではないでしょうか。 私の場合、インド・ヨーロッパ語族でゲルマン派の英語と、アフロ・アジア語族でセム派のアラビア語を同時に勉強しなければならないので、言語的な共通点が少なくて苦労が絶えません。両者を混同することはあまりないので、それがせめてもの救いと言えるでしょうか。同語族・同派の言語を学ぶ際には、その近接性や類似性から、比較的易しさを感じるのかもしれません。

Q:アラビア語と比較すると英語学習はやはり易しいのでしょうか?

大橋:アラビア語は世界有数の難解な言語として知られていますが、右から左へ読み書きするミミズの這った様な特殊な文字、複雑な文法、そして多種多様な方言の存在がその主たる原因だと思います。因みに、ニュースや新聞、学術論文等、フォーマルな場では標準語が用いられますが、口語では各国各地域の方言が用いられ、両者の差異は博多弁と津軽弁の違いよりも遥かに大きく、全く異なる言語と言っても過言ではない程です。私は日本で標準語だけを勉強してエジプトに赴任したのですが、当初はエジプト方言の影響で現地人の話している言葉が全く理解出来ず、愕然とした覚えがあります。 やはり小さい頃から勉強していて慣れのある英語と比べると、アラビア語は格段に難しく、なかなか上昇気流に乗らないというもどかしさがありますが、英語も非常に高度なレベルに達するまでにはかなりの時間と労力を要しますので、一概に比較は出来ません。英語の場合、非ネイティブであっても英語を話せるということが期待され、時にはそれを当然視されることも多いので、その点はなかなか厳しいですね。いずれにせよ、各言語にそれぞれの難しさがあるのでしょう。

Q:外交官という職業にとって、やはり語学は最も重要なものなのでしょうか?

大橋:特に各国の大使館や代表部では、英語又は現地語を使って情報収集等の業務を行うことになりますので、語学が出来ないと仕事の範囲が極端に狭まってしまいます。私はしばしば上司に「語学の出来ない外交官は外交官ではないが、語学しか出来ない外交官も外交官ではない」と教えられてきましたが、外交官は英語をはじめとした語学力に加えて、深い教養と事務処理能力、調整力、交渉力、分析力、創造力、そして社交性等の総合力を問われる、全人格をかけた職業であると言われています。そのため、語学力も然ることながら、その他の能力にも磨きをかける必要があると思い、日々研鑽に励んでいます。

Q:最後になりましたが、現在、英語および第二外国語を勉強されている方にアドバイスを頂けますでしょうか?

大橋:語学の学習も発展途上にある青二才の私が読者の皆様にアドバイスとは甚だ僭越ですので、ここでは私の尊敬する上司の言葉を紹介させて頂きます。それは「学問、特に語学に王道なし」ということです。外国人とコミュニケーションを取る、または取れるようになることは楽しいことですが、語学の勉強は非常に地味で単調な面が多く、文法を正しく理解し、分からない単語を調べ、記憶し、使うという作業の繰り返しです。生まれ持った語学センスは人によって異なれど、いかに地道にこの「覇道」を歩むかということが重要なのだと思います。外国での生活経験がなくとも流暢に語学を操る方もいますし、所謂「帰国子女」でなくとも通訳として活躍されている方は大勢います。そういう方々の成功の陰には、日々の地道な努力があります。語学に触れ続け、勉強し続けることこそ、成功への最大の近道だと言えると思います。
おっしゃる通り、継続することは語学学習にとってはとても重要です。そしてある日突然、今までわからなかった事がわかるようになり、聞き取れなかったことが聞き取れるようになっている自分に気付いたりするものですね。本日は、とても貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました。読者の皆さんにも役に立つ情報が盛りだくさんだったと思います。是非またEJEFでお会いしましょう。

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